私の兄は、家族である私の目から見てもかなり容姿が良く、ありていに言えば子供のころから異性によくモテてきました。あれは私が小学校5年生くらいのころだったでしょうか、バレンタインデーで兄がチョコを10個ほど貰って帰ってきて、「困ったな」的な顔をしていたのをよく覚えています。
妹である私から見ても、確かに彼は父譲りの日本人にしては彫の深い顔立ちで二重まぶたをしており、見た目だけはそこらの芸能人にも負けていません。しかし、実は兄にはちょっと一般的なところから外れた変な部分があり、そのためか彼にいわゆる「恋人さん」が出来たことはないのです。
私の兄は、実はかなりの「新しい物好き」なのです。そしてこれは困ったことに、物にも人にも当てはまり、結果として傍から見るとかなりミーハーな行動をしているように見えてしまいます。
先日もテレビで大きな家電品評会の報道があったのを見ていたかと思えば、突然「うちの玄関の鍵も大分古くなってるよな。いっそ、もっと今の時代にあった画期的な鍵穴は登場してくれないだろうか」なんて言い出し、その時一緒にいた母や私は「またか」とあきれ半分で聞いていたものです。
画期的な鍵穴はともかく、きっとこういう部分を治していかないと兄には彼女は出来ないのではないかと心配になる私なのでした。